みなさんは会議で対立の解消が必要な時にどうしていますか?

ある会社の会議にて

A社は自動車部品を製造開発している会社です。
次の新型車向けの新しい部品の開発が予定より遅れているので、状況を確認すべく社長が開発、製造の責任者を招集しました。

A社長

新しい部品の開発がスケジュールよりも約1ヵ月遅れている。無理なスケジュールじゃなかったと思うが、なぜ遅れているのか説明を聞きたい。

B開発課長

先月になって、顧客から設計変更の連絡が来たんです。そこで、大急ぎで金型を作りなおしたのです。でも、製造のラインが空かないので量産試作がまだできなくて。今は製造ラインの空き待ち状態です。

C製造課長

おいおい、社長の前で製造が悪いような言い方はやめてくれ。確かに今、現場に余力がない。しかし、だめだとは言っていない。納期や生産量を調整する必要があるから、事前に日程や作業手順を連絡してくれと言ったはずだ。

A社長

おいおい、二人とも何をいがみ合っているんだ。

B開発課長

あなたと話をしようとしたけど、『今は忙しいからメールで資料を送れ』ばかりじゃないか。昔からいつでもそうだ。文字では伝えにくいこともあるから、機械の前で話をしたいんだ。

C製造課長

お前はいつもそう言っているけど、目新しいことがあったためしがない。俺は忙しいんだよ。話を聞くだけ時間の無駄だから資料だけで大丈夫だ。

B開発課長

なに!今回は。。。

A社長

社内なんだから協力しあえと、いつも言っているじゃないか!
もういい!開発課は試作の手順を製造課に連絡。製造課は次の月曜日に試作。いいな!

B開発課長

(少し不満そうに)・・・わかりました。

C製造課長

(少し不満そうに)・・・わかりました。


5つの対立の解消モード

ケネス W. トーマスとラルフ H. キルマンが1974年に発表した「Thomas-Kilmann Conflict Mode Instrument」によると、対立の解消方法は以下の5つのパターンに絞り込まれるとのこと。

  1. 回避:その場で解決しようとはせず、対立する状況そのものを回避。
  2. 受容:自分の要求を抑えて相手の要求を受け入れることで解消。
  3. 競争:相手を犠牲に(説得)して自分の利益を中心に解消。
  4. 協調:双方の立場を尊重し、協力しながら事態解決を図る。
  5. 妥協:互いの要求水準を下げて部分的な実現を図る。
トーマス-キルマンのコンフリクト取扱モード

先のストーリーでは、最初はB課長、C課長は共に競争モードでした。社長は二人の発言を受けて回避モードに入ります。しかし、競争が続くことに業を煮やした社長は、最後に社長という立場のパワーを使って競争モードになります。
課長たちは、社長が相手では勝てませんから、受容モードになりました。

コラボレーションとファシリテーション

でも、社長の願いは、対立の解消のために両課長に協調(コラボレーション)モードになってほしかったのかもしれません。
ところで、協調(コラボレーション)をするにはファシリテーションが不可欠です。学んでみませんか?