勉強しない子どもへの対処

ある日のこと

ゲームに夢中で、いつまでたっても宿題を始めない子どもを見かねて、母親が注意します。

いつまで遊んでいるの?

・・・。(まだゲームを続けたいので、聞こえないふり)

聞いてる?さっさと片付けて、宿題を始めなさい!

わかったよ~。もう、しょうがないな~。(のそのそと片付け始める)

(すぐに宿題を始めないことで、怒りに火がつく)
それのどこが急いでいるの!?今すぐ始めなさい!(以下、略)


私が小学校のころにも、こういうシチュエーションがありました。
宿題をやらなければいけないことは頭の片隅にありましたが、宿題以外のことの方が楽しいので、やりたくない/やる気が出ないために、「宿題をやれ」と言われてもすぐに始めませんでした。

その時に親に言ったセリフも、まだ記憶にあります。
『今やろうと思っていたところのに、言うんだもんな~』
(『うそつけ!』と言われて、さらに怒られました)

今も続く、同じパターン

時は過ぎ、私も子を持つ親の立場になりましたが、デジャブのように、時代も立場も変わった今でも、同じような場面が目の前にあります。
まるでシステムに組み込まれているように。。。

システムならば、ループ図で表せるはず。というわけで、ループ図で表してみました。
この状況は、「応急処置の失敗」というシステム原型によく似ています。

子どもが勉強をしないとき、親は「叱る」ことで勉強させようとします。

【叱ることで勉強させるループ(親の目線)】
※記号の意味 +:同方向への効果(増える→増える、減る→減る)
       -:逆方向への効果(増える→減る、減る→増える)

意図しない結果を引き起こす

叱ることで、親の意図通り子どもは勉強を始めます。
しかし、この処置は「親が意図しない結果」をも、もたらします。かつての私のように、子どものやる気を削ぐのです。

やる気が削がれた子どもは、勉強をしなくなります。
すると、子どもに勉強をさせるために、親はまた叱らなければなりません。
この流れがループになっているので、子どもに勉強をさせるために、親は叱り続ける状況に陥ります。
これが、冒頭の親子の会話で起こっている”システム”です。

【意図しない結果のループ】

ループ図の中で課題解決に結びつくポイントを「レバレッジ・ポイント」と呼びます。先のループ図におけるレバレッジ・ポイントはどこでしょうか?

この図の中のレバレッジ・ポイントは、親としては「叱る」という点しかありませんので、このシステムから逃れるには、親が「叱る」以外の手段をとる必要があるのです。

システムから逃れる方法

私が初めて妻とそんな話をしたとき、「そんな方法、あるわけないじゃない!知っているなら、何をしたらいいのか教えてよ!」と詰め寄られましたが、答えられませんでした。
私も妻も、親から叱られながら勉強をしてきた経験があるので、「叱る」以外の方法は想像すらできなかったのです。

そこで私は、何でもいいからやってみることにしました。他の方法がわからないので、思いついたことをトライアンドエラーで試していくしかないと思ったのです。
例えば、、、

  • 食べ物で釣る(勉強しないとご飯をあげない/勉強が終わったらご飯をあげる)
  • ゲーム、本などで釣る(勉強をしたらご褒美)
  • 落ち着いて話しかけてみる(目先の”楽しいこと”から気を逸らす)
  • 開始時間を決めさせる
  • じゃれてみる
  • すぐ横で仕事を始める  、などなど

うちの場合は、「釣る」系の策はあまり効果がありませんでした。食べ物だと「おなかが空いたからできない」と言われ、ゲームなどでは「今すぐくれないなら、やだ」と言われて、うまくいきません。

「開始時間を決める」のは、親子ゲンカを始める前のタイミングであれば有効でしたが、ケンカを始めた後では、子どもの気持ちを変える効果はほとんどありませんでした。

逆に、「すぐ横で仕事を始める」のは、ゲーム中などは全く効果がありませんが、親子ゲンカの後だと「お父さんが仕事をやってるなら、自分もやろう」と思ってくれるようで、一定の効果がありました。(100%うまくいくわけではありません)

話しかけたり、じゃれたりして、目先の”楽しいこと”から子どもの気持ちを一度逸らしてから「そろそろ勉強しようよ」と伝えると、「そうだね」という気持ちになってくれることが多いようです。

いつもと違うことをやってみよう

もしかすると、「うちの子はいつも勉強しない」と言っている世の親御さんたちも、私と同じようなシステムに乗ってしまっているのかもしれません。

こんな時は「他に方法はない」なんて思わず、まずは、いつもと違うことを試してみませんか?
意外な結果が出て、驚くかもしれませんよ。

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