INCJ(旧産業革新機構)の出資により発足したJDI(ジャパンディスプレイ)が、中国・台湾の資本受け入れを前提にINCJの追加金融支援を受けるとの報道がありました。2012年にソニー・日立・東芝の中小型液晶パネル事業を統合する形で発足し、当初は脱Appleを標榜していましたが、Appleへの過度な依存を変えられなかったようです。小型パネルの趨勢が思った以上に早く有機ELにシフトし始めたことで、開発費が嵩んだことも逆風となったかもしれません。

ただ、これまでの報道を思い返すと、意思決定の遅さを感じることが多かったように思います。企業連合故の問題もあるのかもしれませんが、私が経験した範囲だけでも、諸外国の企業と比べると日本企業の意思決定の遅さが強く印象に残っています。私も「100億以内なら支援する用意がある。あと30分で決めろ」「10%のコストダウンを受けるか受けないか、この場で決めろ」などという要求を数多く受けてきました。日本企業に要求しているということは、他国の企業にも要求していることでしょう。そして恐らく彼らはタイムリーに意思決定していると想像できます。

日本企業はとかく会議で意思決定することが苦手といわれます。実際に私の周りでも、会議進行のためのスキルであるファシリテーションについても、知らないか、知っていても知識だけで使ったことがない人が多いようです。ファシリテーションは自転車に乗るのと似ていると思います。いくら本で自転車の乗り方を知っていても、実際に自転車に乗れるとは限りません。

そんな「ファシリテーション」について、6月15日に東京都中小企業診断士協会 中央支部認定のマスターコース内で講義を行います。 単なるノウハウではなく、海外顧客からのクレーム対応や、経営会議での進行などで培った経験を盛り込んだお話となります。中小企業診断士か中小企業診断士試験合格者に限定されますが、興味がある方は是非来てみてください。