アルバート・メラビアンが提唱した「コミュニケーションの三つの要素」をご存知ですか?

メラビアンは、人と人とが直接顔を合わせて行うコミュニケーションには、基本的に以下の三つの要素があるとしています。

  1. 言語
  2. 声のトーン
  3. ボディランゲージ

そして、これらの3つの要素に込められたメッセージが異なる場合、相手に伝達される割合は、言語が7%、声のトーンは38%、ボディランゲージは55%だったというものです。

これは一般に「メラビアンの法則」「7-38-55のルール」と呼ばれており、”この割合で相手に伝わる”という解釈をよく聞きます。
しかし、これはメラビアンの説に対しては拡大解釈で、”3つの要素が矛盾したメッセージを発した場合、どれが一番伝わるか”というものですので、注意が必要です。

例えば、あなたが「顔は笑いながら言葉で注意する」というコミュニケーションをとった場合、相手は「怒られているのではない」というメッセージを多く受け取ります。また「足を組んでそっぽを向きながらほめる」ということをした場合、相手は「この人は私と話したくないのだ」というメッセージを受け取るということです。
そして、3つの要素からのメッセージが矛盾していた場合、相手は不快な思いをするとしています。

でも、理論の厳密な解釈はともかく、もしあなたが上司に何かを報告しているときに、その上司が面倒くさいような顔をして、しかもパソコンの画面から目を離さずに聞いていたら、あなたはどう感じますか?

「この人は私の話を聞いてるのか?」
「私の話は聞きたくないのか?」

などといった思いが頭に湧き上がってくるのではないでしょうか。

翻って、あなたが部下からの報告を受ける状況になった場合、あなたは自分の表情や態度を意識していますか?
自分が思ってもいなかったようなメッセージを、自覚しないまま部下に伝えていませんか?

あなたは、自分の態度や表情を自覚していますか?

また、昨今はウェブ会議が浸透していますが、対面の会議と比べるとどうしても非言語の情報が少なくなります。メッセージが伝わる割合が変わるために、今まで通りのコミュニケーション・スタイルでは、相手に自分が意図していないメッセージを送ってしまうかもしれません。

コミュニケーションの能力を高めることで、3つの要素のメッセージを自覚でき、相手に誤解されにくくなることができますまた、相手の3つの要素からのメッセージにも敏感になることができます。

コミュニケーション能力開発は、心理学的なアプローチと瞑想などを組み合わせてご自身の感覚や能力を自覚していただくことを目論んでいます。