2018年3月15日に信頼できる仲間の中小企業診断士、弁理士、技術士とのコラボで「下請け力活用セミナー」を開催しました。
第一部はスイーツ弁理士、山田龍也先生による「下請け技術を活かした新商品の企画・開発」。第二部は工場のリードタイム短縮をとことん追求する技術士、伊藤哉先生と私のコラボで「下請け型の事業を通じて磨かれた現場力の生かし方」。第三部はアンソニー・ロビンズにも学んだ中小企業診断士、野村昌平先生による「脱下請け!新たな販路を開拓する3つのポイント」という建付けでした。

私は第二部の後半に、「社内データを宝に変える」という切り口で、現場や事務の担当が持つ複数の電子データをまとめ、解析し直すことで、経営に役立つ情報(=お宝)が得られますよ、というお話しをさせていただきました。

事務作業にパソコンが使われ始めて久しいですが、最終的には印刷した紙ベースで情報を保管している企業が多いように感じます。特に製造業ではこの傾向が顕著だと思います。もしかすると、ISO9001の黎明期に品質マネジメントシステムを構築した際の悪しき風習の名残なのかもしれません。

紙ベースの情報は、電子情報と比べると、どうしても検索性と活用性に劣ります。しかし、印刷する前の電子データが残っているなら、それを利用する手があります。

まずは検索性の例を挙げましょう。
Windowsのパソコンを業務に利用されている企業は多いのではないでしょうか?現行のWindows10は、エクスプローラーの「検索」で全文検索(ファイルの中まで検索される)が一部できるようになりました。ワードやエクセルの中身は検索できますので、キーワードが分かっていれば、わざわざファイルを開かなくても検索ができます。検索速度もWindows7などと比べると大きく向上しています。
今はほとんどの人がパソコンをネットワークに繋いで仕事をしているので、担当者が作成した書類の電子ファイルを共有サーバーなどに保管しておけば、わざわざ棚や保管庫に行くことなく机の上で検索・閲覧することができます。

次は活用性です。
パソコンで仕事をしている方は、ご自身の利便性を追及するうちに、エクセルなどでリストを作っていることが多いと思います。
これは本来、自分の仕事を楽にするため”だけ”のリスト(データ)ですが、複数の人のリストを合体させると、経営に役立つ情報が得られることがあります。
現在のエクセルはデータベースの機能を強めており、ピボットテーブル、クエリ、ソルバー、データ分析、などを使うことで、今まではAccessなどのリレーショナルデータベースではないとできなかったような解析が、比較的簡単にできるようになっています。
担当者が持っている一つひとつのファイルは各担当者の仕事の効率化のためだけに存在していますが、それらを集約して解析することにより、今までなかった情報を得ることができるようになります。
エクセルは、恐らく業務に使っている多くのパソコンに既に入っていると思います。大型のIT投資をする前に、投資ゼロでのデータ活用を検討してみてはいかがですか?きっと社内データの意外な有用性(お宝)に驚くはずです。

実は、社内のデータを探すことによる、もう一つの副次的な効果があります。
それは、意外に多くの人が似たようなデータを作っていたり、同じような仕事をしたりしていることに気付けることです。
データをつくる人(部署)を決め、作成したデータを社内で共有したり、ダブっている仕事を集約することにより無駄な仕事を減らすことができます。そして浮いた時間を、会社の未来を作る仕事、もっと生産性の高い仕事、人でしかできない仕事などに使っていくことが「生産性向上」につながるのだと思います。

社内で錬金術、宝探しをしてみたい方、ご相談を承ります。