この数回、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)に関する投稿が続いていますが、今回もBCPのお話をさせていただきます。

先日、とある企業のBCP策定のお手伝いをさせていただきました。
その企業の代表の方は分譲マンションにお住まいで、そのマンションの管理組合の理事長でもあります。

完成した事業継続計画を見ながらお話していく中で、「うちのマンションの災害対策は大丈夫なのか。マンションにもBCPが必要なのかもしれない」というお話になりました。

そこでそのマンションのある地域のハザードマップを確認したところ、近くの一級河川が氾濫すると、低層階や駐車場の一部が水に浸かる可能性があることがわかりました。
ハザードマップとマンションの配置図を重ねると、浸水する可能性のあるエリアに電気室や給水ポンプといった、マンションのユーティリティーを担う場所があることがわかりました。
幸い、当該地区は地震や津波のリスクは低いこともわかりました。

さすが、現役の理事長です。このような一部の情報を提供したところ、「電気室の入り口は浸水に耐えられるのか」「水害のおそれがある場合は、駐車場の車の移動をお願いしなければ」「隣県のタワマンのように、下水が逆流しないのか」などと、どんどん発想が広がっていきます。

災害備蓄や浸水対策工事など、金銭の出費が伴うことはすぐには行えません。そこでまずは電気室/エレベーターピット等の対策状況、下水処理場の被害想定などといった調査を中心に行うこととなりました。また、近々理事会メンバーの懇親会等でマンションの災害対策について話題提供をして理事会メンバーの意識醸成を図っていきたいとのことです。

分譲マンションにお住まいの方は、ご自分が居住している場所以外にも、災害対策について考える必要があるんですね。私にとっても大きな気づきになりました。

皆さんがお住まいのマンションの災害対策は、どこまでお済みですか?